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【感想】ゲームフリーク 遊びの世界標準を塗り替えるクリエイティブ集団

·47 文字·1 分
ほーのき
著者
ほーのき

最近読んだ本の感想です。 本日紹介するのはこちら。

ゲームフリーク 遊びの世界標準を塗り替えるクリエイティブ集団

https://x.com/booooooh522/status/1966747389483774028

まず全体的な感想として、大変読みやすく面白い内容でした。 子供の頃よりポケモンに慣れ親しんできた僕にとって、ポケモンがどのようにして生まれたのか知れるのは、まさに世界がどんなふうに作られたのかを語る神話のような読み味でした。 僕も趣味ではありますがコンテンツ制作に片足を突っ込んでいる人間の端くれとして感化される内容も多く、 「自分もやるぞ!」と奮い立たせてくれた一冊でした。

この本はざっくり二部構成になっていて、前半はポケモン誕生までの話、後半はゲームフリーク誕生から黎明期の話になっています。 そしてタイトルこそ「ゲームフリーク」となっていますが、主にゲームフリーク創業者にして社長である「田尻智」という人物がどういった人物だったのか、何を考え何を成してきたのか、といった視点で語られます。

私は田尻智という名前を初代ポケットモンスター緑の説明書で知りました。 確かエグゼクティブプロデューサーという肩書きで書かれていたと思います。 当時小学生にもなっていないくらいだったと思いますが、そこで私はこの人がポケモンを作った人なんだな、アニメのサトシの元ネタなんだろうなと認識していました。 田尻さんはポケモンの生みの親としての知名度は割とあるのかなと思っているのですが、その知名度に対してどのような人物なのかといった人となりがわかるような情報って意外と少なかったんじゃないのかなと思います。 任天堂の元社長の岩田さんとかって動画などで取り上げられることも多いですし、最近だとソラの桜井さんなんかは自身でYouTubeをやられていたりして、その考え方について触れる機会は多いです。 それに対してポケモンという世界的なコンテンツを世に送り出したという偉業に対して、田尻さんが語られる機会ってそんなに多くないんじゃないかなと思っています。これは単に僕があまり本を読まないからかもしれませんが。

そういったこともあって、僕は本書を読むまであまり田尻さんという人物については深く知りませんでした。電ファミの記事で遠藤さん、杉森さんと鼎談されていたのを読んで、それくらいじゃないかな。 ゼビウス」がなければ「ポケモン」は生まれなかった!?———遠藤雅伸、田尻智、杉森建がその魅力を鼎談。ゲームの歴史を紐解く連載シリーズ「ゲームの企画書」第一回 この記事も大変面白いのでおすすめ。というかゲームの企画書の記事はどれも面白いです。

本書を読んで田尻さんについて思ったことは「このタイプの超有能か〜!」って感じです。 天才的なクリエイターって大きく2種類いるんじゃないかと思っていて、1つ目はカオスの中から独創的なアイデアを作り出すタイプ。部屋がめちゃくちゃ散らかっていたり時間にルーズだったりするけど、すごく尖ったセンスを持っていたりするタイプです(だいぶ偏見ですが)。 もう1つは理路整然と思考が整理されていて理詰めで最適解を導けるタイプ。 いわゆる有能なビジネスパーソンにこのタイプが多い気がしていて、僕が出会った仕事できるな〜って先輩とかは大体このタイプですね。 それで田尻さんはというと、後者寄りだと感じました。 きちんと社会性もあってマネジメントもできて、でもゲームに対しての情熱も凄まじくて、、、まあすごいです。真似できない。 それでもポケモンの成功までの道のりは険しく、さまざまな困難が訪れます。 それらを困難をどう乗り越えたのか?ということを本書で知ることができます。 ぜひ読んでみてください。

ところで本書とはあまり関係ありませんが、ポケモンのゲームって、誤解を恐れずに言うと、最初はオタクたちが作った内輪ノリ的な雰囲気を感じるゲームだったように思います。 少なくとも私はどこかそう感じていました。 でもいつからか世界的なコンテンツにふさわしい風格をもったゲームに生まれ変わったと思っていて。 垢抜けたというか。 それを最初に感じたのはソード・シールドをプレイした時ですね。 その時私は改めてポケモンを見直したというか、より好きになった感覚がありました。 ある意味遠くに行ってしまったという感覚かもしれませんが、なぜだか僕は誇らしい気持ちになったのを覚えています。

読み終えて感じたのは、そんなポケモンも最初は小さな集まりから生まれたんだ、ということです。 そう思うと、僕が今小さく手を動かしていることにも、きっと意味があるんじゃないかと前向きになれました。 ポケモンが好きな人も、何かをつくりたいと思っている人も、ぜひ一度手に取ってみてほしい本です。